【後遺障害等級|交通事故示談金増額交渉のポイント】

金額の大きい逸失利益と慰謝料を左右する等級

後遺障害等級は、障害を負ってしまった時に認定を受けるものです。

 

後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益は、交通事故損害賠償の中でも特に金額の大きい費目です。

 

この両方が後遺障害等級で大きく金額が変わる仕組みになっています。

 

だから後遺障害を負ってしまった時は、少しでも高い等級を取ることが大切なのです。

 

また、不当に低い等級をつけられてしまった時は、異議申し立てをして再認定してもらうことが増額のカギになります。

 

このあたりのことについて説明します。

 

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後遺障害等級とは?

後遺障害を生活・就労への影響の深刻度を基準に順位づけたものです。

 

要介護1〜2級と、介護不要の1〜14等級の16種類があり、数字が小さいほど重い障害です。

 

140種類の後遺障害が35系列に分類され、この16個の等級にランクづけされています。

 

後遺障害等級を認定するのは、自賠責損害調査センター調査事務所という機関です。

 

医師の診断書など必要資料をこの機関に提出して申請し、等級の認定を受けます。

 

申請のタイミングは、「症状固定」の診断を受けた後です。

 

「症状固定」というのは、「治療を続けてもこれ以上は改善しない段階に達した」と医師が判断することです。

 

損害賠償金額と等級の関係

 

等級の有無でお金に大差

後遺障害事故の損害賠償は多くの費目から構成されますが、次の2費目は特に金額が大きくなりやすいです。

 

後遺障害逸失利益 障害を背負ったために残りの生涯で減少する収入の補償
後遺障害慰謝料 障害を背負って残りの人生を生きる精神的苦痛に対する補償

 

この2費目を請求するには、後遺障害等級の認定を受けていることが前提となります。

 

つまり、等級が取れなければ、いくらつらい症状が残っていても、法的には「全快」と同様の扱いとなり、後遺障害はないとみなされるのでこの2費目は請求できません。

 

等級が取れるかどうかで損害賠償金は大幅に変わるのです。

 

1等級の違いでもお金に大差

次に、等級が取れた場合も1等級違うだけで、損害賠償金は大幅に変わります。

 

というのは、上記2費目が2つとも等級にリンクしているからです。

 

後遺障害逸失利益の計算式

後遺障害逸失利益=基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

 

この式のうち、労働能力喪失率は等級で決まります。

 

基礎収入額など他のファクターも関係しますが、等級によって大きく変わるわけです。

 

後遺障害慰謝料も等級で決まります。

 

後遺障害等級

慰謝料(自賠責基準)

慰謝料(弁護士基準)

労働能力喪失率

第1級

1,100万円

2,800万円

100/100

第2級

958万円

2,370万円

100/100

…中略…

…中略…

…中略…

…中略…

第12級

93万円

290万円

14/100

第13級

57万円

180万円

9/100

第14級

32万円

110万円

5/100

 

自賠責基準の慰謝料というのは、自賠責保険で定められている後遺障害慰謝料です。

 

やさしくいうと、最低限保証されている慰謝料です。

 

保険会社はこれに少し上乗せした程度の金額を提案してきます。

 

そこで何も知らずに示談に応じてしまうと、その金額で決定してしまいます。

 

しかし、弁護士に頼めば過去の判例に基づく弁護士基準で請求してもらえます。

 

このように後遺障害慰謝料の金額はこちらの交渉力も関係しますが、基本的な条件を決めているのは等級なのです。

 

むち打ちなどは等級獲得が金額の分かれ目

見た目ではっきりわかる障害であれば、等級も明確です。

 

例えば、片手の親指が欠損していて他に障害がなければ9級です。

 

しかし、むち打ち症のように外見で判断できない障害は等級認定をめぐる争いが発生しやすく、その結果次第で損害賠償金に大差がでます。

 

弁護士法人・響での事例

信号待ちで停車中に追突されてむち打ちになった事故。

 

頸椎捻挫と診断されたが、通院半年ぐらいで痛みが残っているにも関わらず、治療費を一方的に打ち切られた。

 

等級認定を受けられず、示談金の提案は110万円。

 

納得がいかずに弁護士法人・響に相談。

 

担当弁護士は、診断をやり直してもらい、診断は頸椎損傷となり、12級の等級認定。

 

これにより、後遺障害逸失利益と後遺障害慰謝料の請求が可能になり、示談金は825万円に(715万円増)。

 

弁護士法人・響の事例を見る

 

高次脳機能障害なども等級が重大争点

脳が損傷した場合の障害で傍目にもわかりやすいのは、半身不随などの麻痺症状です。

 

しかし、一見麻痺などはなく、知覚や知能も正常に見えても、計画的な行動ができなくなったり、感情の抑制が効かなくなって、もとの社会生活が送れなくなる場合もあります。

 

こういうものを高次脳機能障害といい、最高で1級が認定されます。

 

しかし、脳の損傷を伴わない「非器質性精神障害」と診断されれば、最高でもまれに9級、たいていは一番軽い14級とされます。

 

「高次脳機能障害」なのか「非器質性精神障害」なのかで示談金は大きく変わるのですが、その診断の境目はそんなに明瞭ではないのです。

 

こういう場合も医師に適切な診断書作成を求めて、少しでも上の等級を取っていくことが増額のポイントになります。

 

平成13年から高次脳機能障害が疑われる症例は、特定事案として高次脳機能障害審査会で判断するルールになっています。

 

相手は手ごわく、被害者側もしっかりした弁護士を立てておく方がよいと思います。

 

異議申立ての難しさ

認定された等級に不服があれば、すぐに異議申立てをする必要があります。

 

しかし、やみくもに不服を訴えても通るものではなく、等級制度を熟知してどんな主張をすればチャンスがあるかわかっていないと成果は得られません。

 

もう一つ、大きな難所があって、それは医師に対する再検査や診断書書き換えの依頼です。

 

医師は一般にプライドの高い人種で、一般人がそういう事を要求しても「素人の君が私の仕事に落ち度があると言うのか?!」といった反応をされがちです。

 

世間で医師と張り合える資格といえば弁護士くらいしかありません。

 

弁護士が完全な理論武装をした上で下手に出てお願いするからこそ、医師も対応せざるを得なくなるということが多いのです。

 

このように等級の再認定を伴う示談金交渉は、弁護士の力を借りることが望ましいと考えます。

 

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